炎と戦う消防士の姿に惚れる『バックドラフト』評価は星三つ半⭐️⭐️⭐️✨
1991年公開のアメリカ映画『バックドラフト』は、シカゴを舞台に、消防士の活躍、消防士になった兄弟の葛藤、そして謎の放火事件がストーリーのサスペンス&ファイヤーアドベンチャームービーです。
火災シーンの迫力はILMが手がけ、ファイヤーエフェクトが特筆モノです。炎が生き物のように動く様は、当時、画期的なものでした。
監督は安定感のある演出で有名な、ロン・ハワード。
消防士志望の若者が増えたという、そんなエピソードもある伝説的ムービー『バックドラフト』をレビューします。
映画『バックドラフト』予告編
映画『バックドラフト』あらすじ紹介
1971年、シカゴで消防士の父親が殉職したショックから、ブライアン・レイノルズは父親の跡を継ぐことを決意する。 20年後、ブライアンは消防士となり、兄のスティーブが隊長を務める第17分隊に配属される。
しかし、2人は幼い頃から反目し合っており、再会してもぎくしゃくした関係が続く。
そんな中、シカゴでは奇妙な放火事件が続発する。
それは、逆気流現象によって起こる「バックドラフト」と呼ばれる爆発火災だ。
ブライアンは、火災捜査官リムゲイルの部下となり、謎の放火犯を探すことになる。
捜査を進めるうちに政治家が絡んだ大きな陰謀が…。
次第に兄スティーブに疑惑の目を向けるブライアン。
ある日、リムゲイルとブライアンは疑惑の政治家の家を訪ねるが、そこで謎の覆面の男に襲われる。
覆面の男は誰なのか?そして兄スティーブへの疑惑は??
物語がクライマックスに向かう中、ブライアンは同僚消防士アドコックスと覆面の男の共通点に気づいてしまう。
はたして真相は???
『バックドラフト』は、迫力ある火災現場と火災捜査がストーリーを支える、ファイアーアクションスリラー映画です。
バックドラフトってなんだろう?
映画のタイトルにもなっている、バックドラフトとはなんでしょうか?
Wikipediaによると、
室内など密閉された空間で火災が生じ不完全燃焼によって火の勢いが衰え、可燃性の一酸化炭素ガスが溜まった状態の時に窓やドアを開くなどの行動をすると、熱された一酸化炭素に急速に酸素が取り込まれて結びつき、二酸化炭素への化学反応が急激に進み爆発を引き起こす。
密閉室内で火がでた場合、火は酸素を食いますよね。火の元になる酸素がなくなると、火は一旦収まったかのように消えかけます。
そんな状況でドアを開けてしまうと、一気に外の酸素が流入。
溜まっていた一酸化炭素ガスが酸素と反応して大爆発を引き起こす。それが「バックドラフト現象」だそうです。
映画の劇中、「トリクティコラレイト」というパテのような物質が、バックドラフト発生の鍵を握ります。
で、それがどんな物質なのかをネットで調べてみたのですが、これがヒットしないんです。
ぼくの調べかたが悪いのか?
ネットで調べていたら、映画のシーンから丁寧にアルファベットを抜き出して詳しく調べた方がいましたが、やはりわからなかったみたい、、、。
結局、「トリクティコラレイト」がなんなのか不明のままでしたが、「トリクティコラレイト」は「一酸化炭素ガスをたくさん出すパテ状物質」という架空の物質設定なのではないかしら?
映画『バックドラフト』ぼくの感想
炎が怖い
消防士が主人公の映画『バックドラフト』。その火災現場のセット再現と炎の特撮は過去みたことない怖さです。
特に炎のメラメラした恐怖感は絶品!
映画の中でも「火は生きている」というようなセリフがありますが、まさに意思を持ち人間の動きを読んで這い回るような、動物的な怖さです。幽霊のような、といってもいいかもしれません。
どうやって撮影したのかわかりませんが、ビル火災パニック映画の傑作、『タワーリングインフェルノ』とは全く別なスタイルの炎で火災の怖さを表現しています。
映画には「火」の表現がつきものですよね。
映画制作陣には、「火の特撮」を担当する専門家が居ると聞きます。
低温の火、高温の火、派手に燃え上がる火、静かにうごめく火、、、そんな様々な火を使い分けると言います。
多分、そんな炎を合成したり、実際に燃やしたりしながら火災シーンが再現されていると思います。
映画『バックドラフト』の火災消防シーンを一言で表現するなら、「ゲリラを相手に戦う戦場」です。
炎が消防士たちに一気に迫ってくるかと思えば、どこかへ一瞬で引っ込んでいく。炎を行く先を読む消防士に、別の角度から炎が襲いかかる。
まるで、消防士は神出鬼没のゲリラと戦ってるようです。
サウンドも怖い
炎のサウンドエフェクト=「ヒュウウ…」と唸るように引っ込んだり「ボン!」と突然吹き込んだり…『バックドラフト』ではサウンドも「生き物」の感じを効果的に盛り上げています。
そう、観客の視覚と聴覚の両方に訴える映画作りをしているんですね。
なので、炎の特撮に関しては、火災映画の金字塔と言っても良いと思います。(特撮はILM=インダストリアル・ライト・アンド・マジックが担当。)
消防士の現場を、映画ならではのアングルと美しさで表現してるのが『バックドラフト』です。
その激しくも美しいカット割りは、明らかに映画制作陣の、日々火災と戦う消防士たちへのリスペクトだと思います。
映画『バックドラフト』ぼくの感想・評価は?
劇場公開時は、でっかいスクリーンに映し出される火災スペクタクルに圧倒されました。久々に今回プライムビデオの配信で再見しました。
火災シーンは前回同様、すごいな〜!とため息。一見の価値あり!と思います。クライマックスの爆発炎上シーンはどうやって撮ったのかな?と思うほど。
で、肝心のストーリーですが、正直、平凡と言ってもいいです。
それでも特撮チームと名俳優たちが頑張ってくれているので、最後まで見ることができます。
中でも放火魔として登場するドナルド・サザーランドは絶品の味わいです。
ドラマに緊張感を出しつつ、事件解決への糸口を教えるあたり、とてもいいのです。
しかし、全体を通して、脚本はイマイチ感が否めませんでした。
炎のシーンや火災シーンが素晴らしいだけに、残念です。
ぼくの評価は星三つ半⭐️⭐️⭐️✨です。
火災をテーマに撮られたパニック映画の名作『タワーリングインフェルノ』も記事で取り上げていますので、よかったらどうぞ。スティーブ・マックイーン、ポール・ニューマン、ウィリアム・ホールデン、フレッド・アステア他オールスターキャストムービーです。
フレッド・アステア話題はこちらで別記事書いています。
映画『バックドラフト』ハンス・ジマーの映画音楽
映画「バックドラフト」の音楽は、ハンス・ジマーが作曲を担当しました。
ジマーは、映画音楽の巨匠として有名です。これまでも数多くのヒット作を手がけています。
バックドラフトの音楽は、ケルティック系のメロディをベースに、迫力ある重厚なオーケストラサウンドで表現されています。
なんでケルトなのかと言いますと、アメリカの消防士は代々スコットランドやアイルランド移民が多いんだそうです。ケルトの国の末裔たちがアメリカの消防を支えているから、ハンス・ジマーはあえて音楽にケルティックな旋律を使っているんですね。
火災の激しさや消防士たちの勇敢さを表現するために、壮大でドラマチックな曲が、劇中効果的に挿入されています。
以下に、バックドラフトの音楽の特徴をまとめます。
1.迫力あるオーケストラサウンド
2.火災の激しさや消防士たちの勇敢さを表現
3.明るく陽気なケルティックサウンドベースもグッド。
4.名曲ゆえ、テレビ番組のBGMにもよく使われていました。
以下に、『バックドラフト』の音楽の代表的な曲を紹介しておきます。
Show Me Your Firetruck
Fighting
Brothers
Backdraft Theme
335
Burn It All
You Go, We Go
Fahrenheit 451
Show Me Your Firetruck、カッコいいですよ。
映画『バックドラフト』キャスト
映画「バックドラフト」のキャストを、以下紹介しておきますね。
主人公のブライアン・マクカフリー役を演じたのは、ウィリアム・ボールドウィン。カート・ラッセルが、ブライアンの兄であるスティーブン・マクカフリー役。ロバート・デ・ニーロが、火災調査官のドナルド・リムゲイル役。消防士の同僚役でスコット・グレン。他に、ドナルド・サザーランド J・Tウォルシュ ジェニファー・ジェイソン・リー レベッカ・デモーネイ 他…..結構役者さんは粒揃いです。
映画『バックドラフト』配信先は?
以下のサービスで配信、レンタル視聴できます。
配信中=Prime Video / U-NEXT / TELASA
レンタル中=RakutenTV
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