『メリーポピンズ』。たぶん、その名を知らない人はいないくらいメジャー級ミュージカルですよね。
アカデミー賞も5部門受賞して、アニメーションと実写の合成の素晴らしさに当時のディズニー映画で最高の観客動員数だったといいます。もうレジェンド。
では、ぼくが観た伝説的ミュージカルファンタジー『メリーポピンズ』の感想をさっそくレビューしてみます。
『メリーポピンズ』解説
『メリーポピンズ』は1964年に公開です。公開当時、ディズニー映画史上最高の興行収入を記録しています。
アカデミー賞では、ジュリー・アンドリュースの主演女優賞、編集賞、作曲賞、視覚効果賞、「チム・チム・チェリー」の歌曲賞の5部門を受賞しました。
2013年には、アメリカ議会図書館によって「文化的、歴史的、美学的に重要な作品」と認定。
また、ウォルト・ディズニーの実写作品としての最高傑作とされており、ディズニーが存命中に作品賞にノミネートされた唯一の作品です。
2018年には、なんと54年ぶりの続編となる『メリー・ポピンズ リターンズ』が公開されました。
….なんだかこうかくとすごい映画ですよね。
でも、ぼくは、還暦過ぎてもまだ『メリーポピンズ』を観たことがありませんでした。
ぼくはミュージカル映画が好きです。
このまま『メリーポピンズ』を観ずに人生終わったのでは、後悔するに違いない!…と、配信レンタルで観てみました。
それにしても、「あの映画が観たい!」と思ったらすぐにクリック一つで観ることができるなんて、いい時代になりましたよね。
『メリーポピンズ』が公開された当時、こんなマジックのような未来が待っているなんて、誰が想像したでしょう。
映画好きにとっては、もちろんスクリーンが一番いいに違いありません。けれど人それぞれ持ち時間は限られていますよね。
スキマ時間で見ることができる配信って、すごいな、と思います。
「映画好きなんです」となるときっかけが配信クリックでもぼくはぜんぜんいいと思います。
話しがそれていきました。
とにかく『メリーポピンズ』は歴史にがっちりと刻まれている映画なのです。
『メリーポピンズ』あらすじは?
舞台は1910年代のロンドン。厳格な銀行員ジョージ・バンクスと、女性参政権運動に熱心なウィニフレッド・バンクス夫妻のもとには、やんちゃな姉のジェーンと弟のマイケルがいました。家政婦がすぐに辞めてしまう問題を抱え、家庭はバラバラの状態。
そんなある日、不思議な女性、メリー・ポピンズが現れます。
彼女は魔法の力で部屋を片付けたり、カバンから何でも取り出したりと、子供たちを驚かせます。
メリーは子どもたちを連れて、これまた不思議な男バートと一緒に、ファンタジーの世界に遊びます。
絵の中に入り込んだり、メリーゴーランドに乗って空を飛んだり、様々な冒険を繰り広げるうちに、子供たちは次第に心を開いていきます。
一方、父親のジョージは、勤務先の銀行に子どもたちを連れて行ったのが原因で取り付け騒ぎを引き起こし、その責任を押し付けられて、クビに。
しかしメリーの教えてくれたマジカルワード「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」を唱えたことで子どもたち、そして家族の間に暖かい時間を取り戻し、子どもたちとともに公園で凧揚げに興じます。
メリーはそんな様子に満足し、風に乗って去っていきます。
『メリーポピンズ』ぼくの直球感想(怒られそうな…)
めちゃくちゃシュール!な『メリーポピンズ』
正直に言いましょう。
シュールでした。。。
ぼく、そのシュールさに戸惑いました。
何がって…ジュリー・アンドリュース演じるメリーポピンズが何者なのかがわからない。
メリー登場の仕方も、突然空から降ってくるのに、呆気。目が点。
それも足元をヨコ一直線に広げカカトくっつけたまんま。まるでイラストから抜け出してきたみたい。
ディック・ヴァン・ダイク演じる謎の男も最後までよくわからない。。。
いや、たぶんそんな種明かしをこの映画に求めてはいけないことは、観進めながら重々承知の介なんだけど、、、
おとぎの国でものがたりが進むのも、ぼくには唐突過ぎて、
「この面白さがわからないの?あなたはつまらないオトナになってしまったんですよ」
とずっと言われ続けていたような複雑な気分でした…ああ情けない。
「なんてシュールなんだ!まるで不思議の国のアリスみたいだ」
観終わって数日経った今もなお、思い返すたびにそんな言葉が出てきます。
そんな『メリーポピンズ』はもともと原作があるそうです。
原作を読んだことはもちろんありませんが、「たぶん原作に沿って作られたんじゃないかな…」と、これはぼくの憶測。
あ、悪口ではないですよ。
真っ正直に、ぼくが観た気持ちを書いているだけです。他の人がどう観たか?ではないです。
実写とアニメの合成が絶品に素晴らしい
すみません、映画好きな方に怒られそうな感想ではじまりましたが、ケナしているわけではありません。
『メリー・ポピンズ』は、家政婦として裕福な家にやってきた魔法使い(たぶん)のメリーと小さな子ども2人、そして仕事一筋ミケンに皺寄せお父さんと婦人地位向上に熱心なお母さんのファミリーのおはなしです。
メリーが家にやってきたことで巻き起こる楽しくもファンタスティックな出来事がミュージカル仕立てで続きます。
そのシーンは実写とアニメーションの合成で、それは見事なシンクロです。
ぼくはその昔アニメーターをやっていた時期があります。
昔のアニメの現場を知っているだけに、1秒24コマを手作業で作り、実写にシンクロさせる難しさがわかっているだけに、その絶妙さに見入ってしまいました。
当時のアニメーション技術の掛け値なし最高峰だと思います。
ディック・ヴァン・ダイクのタップダンスにアニメーションのペンギンたちが見事にタップを絡めるシーンは、見ものです。惚れ惚れします。
ディック・ヴァン・ダイクがすごい
ディック・ヴァン・ダイクって、どういう俳優さんかここで紹介しておきますね。
ぼくは『チキチキバンバン』ではじめてディック・ヴァン・ダイクの踊りと演技に触れ、そのショーマンシップに満ち溢れたスマイルにノックアウトされました。
ひとこと、超絶エンターティナーです。
やはり代表作は『メリーポピンズ』『チキチキバンバン』になるのでしょう。
ディック・ヴァン・ダイクのなにが魅力か?というと、彼がスクリーンに登場するだけで、その場をイッツショータイムにしてしまうショーマンシップです。
そして、どこまでも流れるリズムを自分のものにして表現しきるエンターティナーとしての迫力。
ジュリー・アンドリュースの華麗さとは違った図太さとでも言ったら良いのかな、そんな魅力が全編にあふれているのが『メリーポピンズ』の魅力だと、ぼくは思います。
チムニーダンスのド迫力
謎の男バートは、子どもたちを見守るを役回りです。
登場のたびに、彼は大道芸人だったり、ストリートチョークアーティストだったり、煙突掃除夫だったりと、千変万化。
そんな男を演じるのは、先に「すごいよ」を連呼したディック・ヴァン・ダイク。
彼の真骨頂が見られるシーンが、煤で真っ黒になった彼が大勢の煙突掃除夫たちを従えて、ロンドンの屋根上に繰り広げるチムニーダンスです。
それまで「シュールだ」とか「わけわかんない」とか「オレって、なんてつまらないオトナ」と感じていても、そのダンスシーンの前に全て吹き飛びます。
立ち並ぶ煙突と屋根に群舞する煙突掃除夫たちのショーを観るだけでも(失礼!)価値があると思いますよ。
『メリーポピンズ』はウォルト・ディズニーの贖罪ムービー???
踊りをファンタスティックにそんなふうに楽しくみせる『メリーポピンズ』ですが、ドラマの中に仕込まれた「お父さん」のエピソードがあります。
子どもたちの父親は銀行員ですが、映画の最初は仕事バカ。キチンキチンとしないと気が済まないような男です。
ニコリともしません。
ところが子どもたちを銀行に連れて行ったことで、銀行内は大トラブルに進展。
その責任を問われ「どーでもいいや!」と。
結果、父親はトラブルで自分を変えて子供達と向き合っていくようになります。
よくあるといえばよくあるエピソードです。
さて、レビューで大事なのは、そのエピソードにぼくが何を見たか??ですよね。
はい、では、そこ書きます。
ぼくがそのエピソードに思ったのは、「ウォルト・ディズニー自身の贖罪だったのでは…」ということ。
なんともシュールな映画と書きました。
でも、ディズニープロダクションの社長ウォルトの家族や子どもたち、世間への「ごめんなさい」というメッセージだと考えると、ぼくはシュールさにつじつまがあうんですよね。
「メリーポピンズが、ウォルトの贖罪ムービーだなんて、なにトンチンカンなこといってるんだ!」
と、怒らますね。多分違うでしょうし。。。
でも、「ぼくのメリーポピンズ」は、
「仕事漬けだったウォルトの、罪滅ぼしで作った映画」
↑これで、スッキリするのです。
『メリーポピンズ』オススメ度
変化のスピード早すぎてコドモもオトナも大忙しの今の時代、映画『メリーポピンズ』は、そうですね、『子ども心』バロメーター的映画たと思います。
ランクC…この映画を観て、「シュールだ」そして「クダラナイ」となったアナタは、『子ども心忘れ度100』
ランクB…この映画を観て、「シュールだ」だけど「オモロイ」となったアナタは、『子ども心忘れ度50』
ランクA…この映画を観て、「めっちゃ面白かった!」となったアナタは、『子ども心忘れ度0』
…というわけで、ちなみにぼくはランクB……このバロメーターをぼくの評価に代えておきます。いやはや。。。
『メリーポピンズ』DVD・配信先は?
ブルーレイ・DVDは以下で購入できます。
配信先は以下サービスです。
Disney+ | 見放題配信 | 無料期間なし |
RakutenTV | 見放題配信 | 無料 |
Lemino | 見放題配信 | 31日間無料 |
DMMTV | 見放題配信 | 30日間無料 |
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