こんにちは、映画好き絵描きのタクです。今回レビューする作品は、『U571』。エニグマ暗号機奪取テーマの潜水艦映画です。
潜水艦モノの定番、狭い館内でのハラハラ感と、「暗号機奪取」という冒険小説系ストーリーで描かれた戦争アドベンチャームービーですが、ロックスターのジョン・ボン・ジョビが俳優として出演していることも話題となりました。
「潜水艦映画」&「第二次世界大戦」に妙に思い入れがある運営人が、あらすじ・感想〜配信情報までレビューします。
『U571』映画のあらすじは?(一部ネタバレあり)
あらすじを以下に紹介します。
舞台は第二次世界大戦下、1942年です。
北大西洋上では、アメリカ合衆国海軍、連合軍の輸送船団はドイツ潜水艦U ポートの攻撃に辛酸を舐めていました。群狼作戦と呼ばれるその作戦の成功の裏には暗号機「エニグマ」の存在がありました。
そんな状況下、エニグマ奪取の密命が下されます。
第一次大戦の老兵潜水艦S-33を偽装しUボートに似せ、ドイツ潜水艦「U-571 」に近づき奇襲、「エニグマ」を奪うという作戦です。
暗号機を手に入れることができれば、Uボートの作戦を封じることができる…。その指令を受け、S-33 を指揮するのは歴戦の潜水艦長・マイク・ダルグレン大佐(ビル・パクストン)。そして主人公の副長・アンドリュー・タイラー大尉(マシュー・マコノヒー)。以下、ベテラン、精鋭、新兵たちの混成チームのような面々です。銃撃戦のプロフェッショナル海兵隊員も同乗している。彼らは、作戦の困難さを知らされぬまま、出港します。
S-33 潜水艦は、故障停泊している「U-571 」に近づき、乗船、奪取作戦は実行に移され、成功。ところが、戻るべきS-33が別のUボートから雷撃=魚雷攻撃を受け、マイク・ダルグレン大佐もろとも轟沈してしまいます。
「U-571 」に残されたタイラー大尉以下、奪取チームは、慣れないUボート操艦を余儀なくされます。
はたして彼らは、迫るドイツ軍の追ってをかいくぐり、暗号機エニグマを連合軍に届けることができるのか…??
といったあらすじです。
『U571』見どころと感想
ボンジョビ出演
昭和平成世代なら誰でもが耳にしたことのある大ヒット曲『 Jamp』を世に送り出した張本人が映画に俳優として出演しています。
ジョン・ボン・ジョビがその人です。ピート・エメット大尉として出演しています。
艦長のタイラーも大尉ですから、階級的には艦長と一緒ですね。
言われなきゃロックスターだとわからないです。いい意味でスターのオーラを消していると思います。
潜水艦映画の楽しみ方
「エニグマ暗号機を奪え」という困難な命令をどうやって果たすのか?が本作のテーマです。
敵の心臓部を攻撃したり、新兵器を奪ったりというテーマは、昔からいろんな映画で描かれてきました。
『ナバロンの要塞』や『荒鷲の要塞』といった施設爆破系が多いですが、最高機密を奪取し無事届けるまでを潜水艦で、、、というストーリーは、映画では初めてだったのではと思います。
そんな『U571』を楽しめるかどうかは、狭く逃げ場にない館内に、いかに自分を没入できるか、にありますね。
危機また危機のたたみかけで、ぼくはラストまで楽しめました。
ちなみに、冒険小説界の旗手、マイケル・バー・ゾウハーが書いた傑作冒険小説に「エニグマ奇襲指令」という本がありますが、こちらの本は映画とは別物です(面白かったです。オススメです)。
作った監督と演じるキャストについて
物語は、主人公のタイラー大尉のキャラクターが「優しすぎる男」=「軍人としては頼りない」という設定で始まります。優柔不断な彼が、どうやって困難を乗り越えていくのか?という点もストーリーの柱になっています。
ぼくは、タイラー大尉の軍人としての成長も描きたかったのでしょうが、演じるマシュー・マコノヒーの全編通して、表情がイマイチ迫って来なかったのは、演出脚本ゆえだったのか、役者としてあえての演技だったのか…、そこが残念ポイントではありました。
しかし、好きな役者さんが出ている映画はよく感じられる。これは人情というものですね。ビル・パクストンとハーベイ・カイテルの御二方登場にぼくは拍手でした。戦争映画ジャンルでお会いできたことが嬉しかったです。特にハーベイ・カイテルの古参兵の匂いが映画を支えておりました。
監督のジョナサン・モストウは「ブレーキダウン」というスリラーサスペンスでデビューした監督ですが、「ブレーキダウン」でのハラハラ演出を『U571』でも生かしているように感じました。『U571』以降の作品では『ターミネーター3』を撮った監督さんです。
『U571』ぼくの評価は?
最後まで楽しめました。ぼくの評価は70点です。主役の艦長に感情移入できなかったことがちょっとマイナスでした。
戦争映画くくりでも、この映画はアドベンチャー系です。『Uボート』や『プライベートライアン』とは違うトーンですので、楽しんでみる映画、ですね。
ドキドキハラハラ系映画が好きな方におすすめです。もちろんや戦争映画好きもオーケー。制服系にアンテナ立つ女性映画ファンも納得してくれるのではないかしら。
『U571』レビュー番外編〜潜水艦と食欲のこと
潜水艦映画を観た後は、ぼくはなぜか美味しい料理を食べたくなります。
レビューにはどうでもいいことなんだけど、なぜなんだろう?と、考えてみました。
潜水艦乗りにとって楽しみといえば食事くらいなものでしょう。
劇中、士官たちがうねりに揺れる食卓を囲むシーンが出てきます。(潜水艦映画の古典傑作『Uボート』でもソーセージや食料が艦内所狭しとぶら下がっているシーンが印象的でした。)
潜水艦映画を見た後「食欲」がアップするのは、気持ちが潜水艦内に閉じ込められ、潜水艦乗組員にどっぷり感情移入してしまうからなのかもしれません。
ちなみに『U571』を劇場で観た後、行きつけのバーに立ち寄りました。馴染みのバーテンさんから「今日は何を飲みますか?」と聞かれたぼくの答えは
「今、潜水艦映画を観てきたんですよ。潜水艦イメージのカクテル、作ってもらっていいですか?」
「そうきましたか、、、」
バーテンさんはニヤッと笑って、綺麗なブルーのカクテルを作ってくれました。アルコール度数がめちゃ高かったのは、いうまでもありません。
潜水艦映画の後は、まずは御飯、そしてバーへという流れ、これ、おすすめです。
「ムービーダイアリーズ」では、潜水艦テーマくくりで、『Uボート』と『Uボート:235 潜水艦強奪作戦』を取り上げています。よかったらご覧くださいね。
『U571』配信は?
U-NEXT TELASA で配信中です。
『U571』スタッフ・キャスト紹介
監督/ジョナサン・モストウ 撮影/オリヴァー・ウッド 音楽/リチャード・マーヴィン
U571艦長:アンドリュー・タイラー大尉=マシュー・マコノヒー
S-33 艦長:マイク・ダルグレン大佐=ビル・パクストン
クロフ軍曹=ハーベイ・カイテル
ピート・エメット大尉=ジョン・ボン・ジョヴィ
クーナン海兵隊少佐=デピッド・キース
ハーシュ大尉=ジェイク・ウェバー
ラーソン少尉=マシュー・セトル
無線技師ウェンツ=ジャック・ノーズワーシー
コック=エディ・T·C ・カーソン
トリガー=トーマス・クアリー
マッツォーラ=エリック・バラディーノ
機関助手タンク=ビッド・ジェームズ・パワー
ラビット=ウィル・エステス
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